わたりがに/ミル(海草)

わたりがに
■夏になると迫間浦の海では「わたりがに」が捕れてきます。
民宿をしていた頃もお客さんにお出しして、あがってもらっていました。

食べ方は至って簡単、茹でるだけ。水から入れて茹でますが、お湯に入れるとカニの足がバラバラと外れてしまうので必ず水から入れます。
塩を入れたり、蒸したりする家もあるようですが、傳八屋では水だけで茹でます。

雄のカニ(写真上)は手足が長く、色も青味を帯びています。
この写真のものはあまり大きくありませんが、昔は立派なサイズが沢山捕れました。

雌のカニの方は(写真下)手足は短く、体の色もこのような地味な色目ですが、身の詰まり方は雌の方がしっかり詰まっていて味も濃いように思います。
捕れたてをすぐその日のうちに茹でるのが一番の美味しい食べ方ですが、1晩置くと身がガラガラになってしまうからと、母はいつも急いで茹でてました。

 
ミル(海草)
■こちらも夏にだけ採れる海草。色はモスグリン、スポンジ状で姿形は枝状をしています。
皆さんは見たことも、聞かれたこともないと思います。スーパーなんかには売ってませんからね。今では迫間浦に住んでいても、若い人は知らないかもしれません。
採れる量も目っきり減って沢山採れませんが、今は食べる人も少なく傳八屋でも親父くらいです。冷蔵庫でよく冷やしたミルを、これまたよく冷やした酢味噌に付けて食べます。
ノンカロリーで沢山食べても太らない食材です。

写真のミルは遠縁のおばさんがすぐ食べれるようにして、傳八屋に「ミル、食べるかなぁ〜」と言って、届けてくれました。
海に自然に生えているのでまずゴミを取り、太い枝のは除きます。
アクが有るので灰を入れて湯がきます。

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